株式会社フロリスト花正

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2022年3月の言葉2022.03.01

2月も中旬を過ぎると太陽の光に春を感じ、手をかざすと温もりが伝わってきます。自然界は最も早く察知し、今年の遅い雪模様にもめげず、木々の芽も、草花のつぼみも、一斉に動き出しうれしくなってきます。

ちょうど1年前になりますが、家族で飛騨方面に小旅行に出かけました。
孫が組んだ旅行プランの中に、父親(50代)と孫2人がバンジージャンプに挑む計画が組まれていました。
行くところは、岐阜県蒲生郡にある新旅足橋(シンたびそこばし)高低差が日本一とうたわれていて、215mあります。
車で移動するときの父親と孫たちの会話「怖くないやろか?」「ちゃんと飛べるやろか?」「用具は手足を縛るだけやろか?」
「足抜けへんやろか?」「どんな気持ちやろ」と期待と不安に胸ふくらませて、いろいろな会話が飛び交っています。
が私にとっては、全然関係ない話と聞き流しておりました。
バンジージャンプをするところより、車で20分近く手前の駐車場にある掘っ立て小屋が受付になっています。
孫と父親たちは、申し込むのに嬉々として「さあ!!これから飛びに行くのだ!!」という気持ちが会話の中にあふれ出ております。  するとこの時、私自身に異変が起きました。
「わしも、飛ぶ」と口からこの言葉が飛んで出たではありませんか!!。


車で新旅足橋の手前にある駐車場までいきました。橋の真ん中にあるジャンプの施設まで、粉雪が舞う中を渓谷の美しさを愉しみつつ、少しづつ体のこわばりを覚えながら、現場に到着。
くじで、一番に孫娘、二番が男の子、三番目が私、四番手が息子(父親)の順番が決まりました。
装備を見ていると、安心しました。 寝袋の様な物で体全体を固定しています。
一番手。飛びます。「ギャーーー」と叫びながら、飛ぶというより落ちていく感じ。
二番手。飛びました。「-----」無言です。少し前に飛び、手足を広げたので渓谷を飛んでいるようです。
三番手。私、ロープが飛んでいる人の身体に巻きつかないように、ベトナム人の補佐がかけてくれる訳の分からない掛け声(多分 いち、にい、さんと叫んでいるのでしょう)と共に前に飛び出しました。
「わーーーー」と声が出そうでしたが、山並み、渓谷を見る余裕はありました。が少し意識がかすむ感覚が襲ってきたかと思しきときに、一番深いところに到着し、足が上向きになっているのを正常な位置に戻るようにロープを操作しました。

後になり何故「わしも飛ぶ」という言葉が飛んで出たのか自分でも不思議でした。
今の所、花正を背負っているという自覚と責任感・。一番何をするにしても慎重な私。 臆病で危険な事、新し事には二歩も三歩も後ずさりする私。今までの私であればどう考えても出てくる言葉ではありません。 そのときは怖いという感じは全然と言っても良いくらい感じませんでした。
今にして思うと、息子が半分接いでいてくれている、もし万が一私の身に何か起きても どうにかしてくれるであろうという無意識の中の意識。なぜか70代になってから新しいことへの興味の湧き方がだんだん大きくなってきていることを常に感じてきていたので、「新しい経験が大事だ」という体の奥からの自然の叫びであったかもしれません。
歳をとることは、経験からも感覚的にも恐怖等々がうすれてきていることが考えられます。

未知の体験、興味、冒険心、探究心などを覚えるようになったのは、心の、また時間的な余裕が出来てきたからかもしれません。年を取るという事は悪いことばかりではありません。
若いころに考えられなかったことを考えつき、行動に移すことが出来ます。
2022年3月1日  西井 忠義

2022.03.01 Tue
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