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九月の半ば、まだ真夏、荷中は34℃,35℃の日が連日続いております。4,5にちめへに1時間ほど、大粒の雨が降り水たまりが出来るほどでしたが、一向に涼しくなりません。
朝の散歩のとき、ひときわ目立つのが、濃いピンク、薄いピンク、薄紫、白などの百日紅。今が盛り、こんなにも植えておられたのかと思えるほど、たくさんのご家庭で植えておられ,ムクゲの花も意外なほどに多い。この花も濃いピンク、白、淡いピンクなどなど。
お彼岸のお中日9月23日に大粒の雨が降り、墓参りの方が激減して、仕事の方には影響が出ましたが、昔の諺で「暑さ寒さも彼岸まで」と言われておりますように、急に涼しくなり過ごしやすい日々が増えました。
50年近く公私ともにお世話になった、お花の先生が体力の衰えで後進に道を譲られました。
この先生は、お花の世界が細っていくにも関わらづ、多くの社中さんが、長年続けておられます。
先生のお人柄、人の悪いことは指摘せずに、良い所を伸ばす。
花正との接し方にしても、社中さんに常ずね「花正さんの、花は本当に取り合わせも素敵だし、新鮮で季節感が有っていいわねー」と、言って頂いているそうです。
60年近く前、本格的に高槻で花屋を始めたころ、先生が、お帰りのおりに店に寄って頂いて、枝ものの観かた払い方、取り合わせの仕方などを数多く教えて頂きました。
例えば、お正月に使用する小ぶりの柳、100本ほどある柳を手に取って、枝ぶりや、下がっている様子などを1本、1本解説して頂きました。
この流派は、私なりの考えですが、「自然の姿」を、あるがままに活ける事を基本になさっているように感じております。
この頃の10年~15年間は、歩いて数分のところの近くに山、野原が点在しており、野草が沢山ありました。
例えば、吾亦紅、ササユリ、女郎花、男郎花、ナデシコ系、かたくり、マムシ草、トリカブト、美男蔓、あざみ、カラスの枕などなど、朝早く起きて、これわと、思える花材を採めてお届けしたものです。
この様な時は、目を輝かせて、大層に喜んでいただきました。それがうれしくて市場での仕入れも、自然にちかいものに、目が向くようになり、他の流派の先生方にも大変喜んでいただきました。
季節感のあるものは、時期によっては、早く痛むこともありますが、季節感を大事になさっていて、その時期にしか、短期間にしか、出ない花材の時は、先生自身が驚くほど花材についての造詣も深ので、そのことを社中さんに懇切丁寧に説明されて、
「花材が早く痛む」ことよりも、季節感を大事になさっておられ、社中さんにも浸透しておりました。
大変有難いことです。この基本を学んだことで、季節感を大事にし、24節気にも目を向けるようになり、植物の分布も気にするようになりました。
「喜んでいただく」「褒めて頂く」「花正さんお花は良い」「取り合わせが抜群」と社中さんさん以外の方々にも、お話しいただいていることが、人伝てに私の耳に入った来るので、少しでもいい花材をと自然に心掛けて、取り合わせを選び、組みました。
人を動かす基本を学びました。
2024年9がつ30日 西井 忠義